「35年と50年、どっちで組めばいいですか?」——幡ヶ谷・初台エリアで8,000万円台の物件を検討している方から、よく聞かれる質問です。
月々の返済だけ見れば50年が有利。でも総返済額・老後リスク・エリアの物件条件まで含めると、答えは変わってきます。数字で整理しました。
Simulation Conditions
- 借入額:8,000万円(頭金別途)
- 35年ローン金利:年0.9%(変動)
- 50年ローン金利:年1.0%(変動・35年超で+0.1%上乗せ)
- 返済方式:元利均等返済・ボーナス払いなし
- 金利は借入時点で固定として試算(変動金利は将来変わる可能性があります)
※ 試算はあくまで参考値です。実際の返済額は適用金利・保険料・諸条件によって異なります。必ず各金融機関のシミュレーターでご確認ください。
月々の返済額はいくら違う?
同じ8,000万円を借りた場合、月々の返済額はこれだけ変わります。
| 35年ローン 金利0.9% |
50年ローン 金利1.0% |
差額 | |
|---|---|---|---|
| 月々の返済額 | 約220,000円 | 約184,000円 | 約▲36,000円 |
| 年間返済額 | 約264万円 | 約221万円 | 約▲43万円 |
月々約36,000円の差。年間で約43万円の余裕が生まれます。
Insight
月々36,000円の差は何に使えるか。子どもの習い事・塾代の目安が月2〜5万円、NISAの積立が月3〜5万円。「余裕があれば繰り上げ返済に回す」という使い方もできます。ただし、その分だけ後述の総返済額は膨らむことを忘れずに。
総返済額・利息総額の差
月々の差は小さく見えますが、期間が長くなると利息の積み上がりが大きく変わります。
| 35年ローン 金利0.9% |
50年ローン 金利1.0% |
差額 | |
|---|---|---|---|
| 総返済額 | 約9,254万円 | 約11,040万円 | 約+1,786万円 |
| うち利息総額 | 約1,254万円 | 約3,040万円 | 約+1,786万円 |
| 元金(借入額) | 8,000万円 | 8,000万円 | — |
※ 金利一定で試算した参考値です。変動金利のため将来の返済額は変動します。
利息総額の差は約1,786万円。35年ローンの利息約1,254万円に対して、50年ローンは約3,040万円。期間を15年伸ばすことで、利息負担がおよそ2.4倍になります。
1,786万円の差、どう実感する?
約1,786万円
50年ローンで余分に払う利息
子ども2人分
幼稚園〜大学卒業までの教育費の目安
(文部科学省調査をもとにした試算)
完済年齢と老後リスク
「何歳まで払い続けるか」は、数字以上に重要なポイントです。
| 借入時年齢 | 35年ローン 完済年齢 |
50年ローン 完済年齢 |
50年ローンの注意点 |
|---|---|---|---|
| 25歳 | 60歳 | 75歳 | 定年後10年以上返済が続く |
| 30歳 | 65歳 | 80歳 | 年金生活に入っても完済できない |
| 35歳 | 70歳 | 85歳(多くの金融機関で不可) | そもそも50年ローンを選べない |
30歳で50年ローンを組むと、完済は80歳。公的年金の受給開始(65歳)から15年間、年金生活の中で月々約184,000円を払い続ける計算になります。
Check
老後の月々184,000円は現実的か?厚生労働省の調査によると、夫婦2人の年金受給額の目安は月約23万円(モデルケース)。そこから住宅ローン184,000円を払うと、手元に残るのは約46,000円。生活費・医療費・介護費を考えると、繰り上げ返済か退職金での一括返済の計画が必須です。
元金の減り方にも差がある
50年ローンはもう一つ注意点があります。返済初期は利息の割合が高く、元金がなかなか減りません。
| 借入後の経過年数 | 35年ローン 残債の目安 |
50年ローン 残債の目安 |
|---|---|---|
| 5年後 | 約6,600万円 | 約7,200万円 |
| 10年後 | 約5,100万円 | 約6,300万円 |
| 20年後 | 約2,200万円 | 約4,400万円 |
※ 金利一定・繰り上げ返済なしの場合の概算です。
10年後の残債は35年ローンが約5,100万円に対し、50年ローンは約6,300万円。売却・住み替えを考えたとき、残債が多いとオーバーローンになるリスクがあります。幡ヶ谷・初台エリアは価格が底堅いですが、将来の売却を視野に入れる場合は要注意です。
幡ヶ谷・初台エリアで8,000万円台の物件とは
50年ローンが使えるかどうかは、物件の条件にも左右されます。エリアの実態と合わせて整理します。
8,000万円台でどんな物件が買えるか
| 価格帯 | 広さの目安 | 築年数の目安 | 物件イメージ |
|---|---|---|---|
| 7,500〜8,500万円 | 60〜75㎡ | 築10〜25年 | 新耐震・管理良好な中古マンション |
| 8,000〜9,000万円 | 75〜90㎡ | 築20〜35年 | ファミリータイプ・リノベ済みも含む |
| 8,500万円以上 | 80㎡以上 | 築年数問わず | 駅近・ヴィンテージ・希少物件 |
※ 幡ヶ谷ベース取り扱い実績をもとにした目安です。市場状況により変動します。
50年ローンと物件条件の相性
+ 50年ローンが使いやすい
- 築15年以内の中古マンション
- 新耐震基準(1981年6月以降)適合物件
- 長期修繕計画が整備されたマンション
- 駅徒歩10分以内・担保評価が高い物件
– 注意が必要
- 築30年超(借入期間が制限される場合あり)
- 旧耐震基準(1981年5月以前)の物件
- 自主管理・修繕計画未整備のマンション
- 専有面積30㎡以下のワンルーム
幡ヶ谷・初台エリアにはヴィンテージマンション(築30〜40年台)も多く流通しています。価格の魅力はありますが、50年ローンを使いたい場合は築年数と金融機関の条件を事前に確認することが必須です。詳しくは50年ローン完全ガイドもあわせてご確認ください。
結局どちらを選ぶべきか
+ 50年ローンが向いている人
- 30歳前後で、完済時年齢80歳以内に収まる
- 今は月々を抑えて、収入増後に繰り上げ返済する計画がある
- 共働きで一方が産休・育休に入る時期の余裕を確保したい
- 築浅・新耐震の物件を検討している
– 35年ローンが向いている人
- 35歳以上で50年ローンそのものを選べない
- 老後に返済を残したくない
- 繰り上げ返済の見込みがなく50年払い切るつもり
- 将来の売却・住み替えを視野に残債を減らしたい
幡ヶ谷ベースの考え方
「50年で組んで繰り上げ返済で短縮する」は、計画通りに実行できれば有効な戦略です。ただし繰り上げ返済は「余裕があればやる」では実現しにくい。月々の余裕分を積立NISAやiDeCoに回しながら、5〜10年後にまとめて繰り上げるという具体的な計画を立ててから選んでほしいと思います。
迷ったら、物件と資金計画を一緒に確認しましょう。来店相談でシミュレーションをその場で出します。