「住みながら売れますか?」——これ、売却相談でいちばんよく聞かれる質問のひとつです。
結論から言います。居住中でも売れます。しかも、価格に差はほとんど出ません。
実際、幡ヶ谷ベースに相談いただく売主様の半数以上が、居住中のまま売却活動をしています。「住みながら売る」は特別なことではなく、むしろ標準的な選択肢なんです。
この記事では、空室と居住中の違いを正直に整理した上で、居住中でも高く・スムーズに売るためのポイントをお伝えします。
結論——「居住中」でも普通に売れます
「空室にしてから売ったほうがいいですか?」という質問に対して、正直にお答えします。
空室のほうが内見の調整はしやすい。これは事実です。でも、それは「売りやすさ」の話であって、「価格」や「成約スピード」の話ではありません。
— まず知っておいてほしいこと
- + 居住中でも売却価格に大きな差は出ない
- + 幡ヶ谷ベースの売却相談の半数以上が居住中からのスタート
- + 居住中ならではの「売りやすさ」もある
- · 内見のスケジュール調整は多少手間がかかる
- · 内見前の掃除・片付けへの協力が必要
「空室にしてから」と考えると、引っ越し費用が二重にかかったり、次の住まいを急いで決めなければならなくなったりします。居住中のまま進めながら、売れたタイミングで引っ越す——これが多くの方にとって現実的な進め方です。
売却先行と購入先行、どちらが向いている?——住み替えの順番と戦略空室と居住中、3つの観点で比較する
「どちらが有利か」を整理するために、3つの観点で比べてみます。
観点① 内見のしやすさ
空室
有利
売主不在でもいつでも内見対応できる。不動産会社が鍵を預かって案内するため、件数が増えやすい。売主側のスケジュール調整が不要なのでストレスが少ない。
居住中
やや手間
内見のたびに日程調整が必要。「平日の昼間は難しい」「土日も予定がある」という場合は、案内できる日が限られる。ただし、調整自体は不動産会社が主導するので負担は思ったより少ない。
観点② 室内の見え方・第一印象
空室
広く見える
家具がないため部屋が広く見える。採光や天井高など、物件本来のポテンシャルが伝わりやすい。特にリノベーション目的の買主には「どこでも動かせる」安心感がある。
居住中
生活感が出る
家具・生活用品があることで「狭く見える」場合もある。ただし、センスのよい暮らし方をしている部屋は、むしろ「ここに住みたい」という気持ちを引き出す効果がある。
観点③ 販売価格・成約スピード
空室・居住中 共通
大きな差はない
これが最も重要なポイントです。空室か居住中かによって、販売価格を下げなければ売れないということはありません。成約までの期間も、物件の価格設定や市場環境のほうが影響が大きく、空室・居住中の違いによる差はほとんど出ません。
居住中だからこそ「高く売れる」理由
空室のほうが「楽」なのは事実です。でも居住中には、空室にはない強みがあります。
01
買主の「本音」がその場でわかる
空室の場合、内見後の反応は不動産会社経由でしか伝わりません。居住中なら、買主が「あ、ここいいですね」と言う声を直接聞けます。前向きな反応をその場で確認できるので、価格交渉でも冷静に動けます。
02
住んでいる人にしか語れないことがある
「朝の日当たりがすごくいいんです」「近所のスーパーが安くて便利で」「この部屋、夏でも風通しがよくて」——こういう生の情報は、間取り図や写真では絶対に伝わりません。住んでいるからこそ語れる魅力が、買主の背中を押すことがあります。
03
家具があると「暮らしのイメージ」が湧く
特にファミリー層の買主は、「この部屋でどう生活するか」をイメージしながら内見しています。センスのよい家具や整えられた生活空間は、「ここに住みたい」という感情を引き出します。空室の「広さ」とは別の説得力があります。
Check
「居住中だから早く売れない」と思って仮住まいに引っ越すと、その間の家賃・引越し費用が余計にかかります。居住中のまま進めてトータルのコストを抑えるほうが、手元に残るお金は多くなることがよくあります。
内見前にやっておきたいこと5つ
居住中売却で大切なのは、売主様の「協力」です。不動産会社が頑張れることには限界があります。部屋の第一印象を左右するのは、売主様が事前にどれだけ整えてくれるかです。
01
水まわりを重点的に掃除する
お風呂・洗面台・キッチンの水垢・カビは、買主の印象を大きく左右します。「水まわりがきれい」というだけで、物件全体の管理状態がよく見えます。内見前日に集中して磨いておくだけで効果があります。
02
照明をすべてつけておく
明るさは第一印象を決定的に変えます。昼間でも全室の照明をつけた状態で迎えましょう。電球が切れているものは事前に交換を。「暗い」という印象は、その後の内見中ずっとついて回ります。
03
内見前に換気して空気を入れ替える
においは内見の印象に大きく影響します。ペット・タバコ・料理のにおいが残っていると、それだけで敬遠されることがあります。芳香剤の使いすぎも「においを隠している」印象を与えるので注意。自然な空気が一番です。
04
生活感を「程よく」整える
完全に生活感をなくす必要はありません。ただし、床に物が散乱していたり、洗濯物が干しっぱなしだったりすると、物件の魅力が伝わりにくくなります。「片付いているけど人が住んでいる」くらいの状態が理想です。
05
住んでいる人の声を惜しまない
「この部屋、冬でも暖かいんですよ」「バルコニーから富士山が見えることがあって」「近くのあのスーパーが安くて重宝してます」——こういう一言が、買主の心に残ります。不動産会社には言えない生の情報を、ぜひ伝えてください。
よくある疑問Q&A
内見のスケジュール調整は大変ですか?
基本的には不動産会社が調整しますので、売主様の負担は思ったより少ないです。「平日は難しい、土日の午後なら対応できる」という条件でも十分対応可能です。ただし、対応できる時間帯が少ないほど案内件数は減るため、できる範囲で柔軟にしていただけると成約が早まります。
内見は何件くらい来ますか?
物件・価格・エリアによって異なりますが、幡ヶ谷・初台・笹塚エリアでは、価格設定が適切であれば1〜3ヶ月以内に5〜10件程度の内見が入ることが多いです。1件目で決まるケースもあれば、10件以上入ってから決まることもあります。件数より「刺さる1人に届ける」戦略が大切です。
内見中、売主はどこにいればいいですか?
在宅していてもいいですし、外出してもかまいません。どちらにも一長一短があります。在宅の場合は「住んでいる人の声」を伝えられる反面、買主が遠慮して見にくくなることも。外出の場合は買主がじっくり見られる反面、疑問点をその場で聞けません。担当者と相談しながら決めましょう。
ペットがいますが、大丈夫ですか?
事前に担当者へお伝えください。においと毛の対策を一緒に考えます。ペットがいること自体はマイナスではなく、「ペット可マンション」として訴求できる場合もあります。ただし、においが強く残っている場合は成約に影響することがあるため、内見前の換気・清掃は特に念入りにお願いしています。
まずはご相談から
「居住中のまま売れるか不安」という方ほど、一度相談してみてください。
状況を聞いた上で、「今すぐ動いたほうがいいか」「もう少し待ってからのほうがいいか」も含めて、正直にアドバイスします。査定を依頼したからといって、すぐに売らなければならないわけではありません。