「建て替えって、どういうこと?」「前のマンションはどうなったの?」
パークホームズ初台ザレジデンスを調べていると、そんな疑問が出てきます。
このマンション、実は2022年に完成したばかりの新築ではありません。
1969年竣工の藤和初台コープという旧耐震マンションを建て替えて生まれた物件です。
ただ「新しくした」だけじゃない。経緯と背景を整理すると、このエリアのマンション市場を考えるうえで、とても参考になる話が見えてきます。
建て替えの出発点は「甲州街道の耐震化」だった
まず、なぜ建て替えの話が動き始めたのかを整理します。
物件前面を走る甲州街道は、東京都の「特定緊急輸送道路」に指定されています。
大地震が起きたとき、救急・消防・物資輸送に使われる幹線道路です。
沿道の建物には、耐震化が強く求められました。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1969年 | 藤和初台コープ竣工 |
| 2011年 | 甲州街道が特定緊急輸送道路に指定 |
| 2015年4月 | 耐震診断を実施。耐震性不足が判明・建替え推進決議 |
| 2015年8月 | 三井不動産レジデンシャルが参加組合員予定者に選定 |
| 2017年12月 | 建替え決議成立 |
| 2018年7月 | 建替組合設立認可 |
| 2019年 | 権利変換計画認可・解体開始 |
| 2020年 | 新築工事着工 |
| 2022年9月 | 竣工・引渡し |
2015年の耐震診断で「耐震性能が不足している」と判明したことが、建替え本格化の直接のきっかけです。
そこから決議・組合設立・解体・着工まで、約7年かけて進んでいます。
「単純な建て替え」ではなかった。隣接地を取り込んだ一体開発
この建て替えのポイントのひとつが、規模の拡大です。
元の藤和初台コープだけを建て替えたのではなく、西側と北側の隣接敷地を一体化して開発しています。
その結果、建築計画の自由度が上がり、戸数も大きく増えました。
建替え前(藤和初台コープ)
- 竣工:1969年
- 階数:地上14階
- 延床面積:約5,000㎡
- 総戸数:61戸
建替え後(パークホームズ初台ザレジデンス)
- 竣工:2022年
- 階数:地上18階
- 延床面積:約11,000㎡
- 総戸数:115戸
延床面積は約2倍、戸数も61戸から115戸へ。
これは隣接地との一体開発があったからこそ実現した規模感です。
「マンション建替え円滑化法」をどう使ったか
この事業はマンション建替え円滑化法に基づいて進められています。
簡単に言うと、「区分所有者全員が個別に交渉しなくても、組合方式で建て替えを進められる仕組み」です。
Check
- + 組合施工方式で、所有者全員が合意形成に参加
- + 権利変換方式を採用。従前の区分所有者は新マンションの住戸に権利を移行
- + 新たに生まれた住戸(約65戸)が一般分譲として販売され、全戸完売
つまり元の所有者は「新しい住戸に住み替える」、増えた分の住戸が市場に出る——という構造です。
この建て替えが注目された理由
業界的にも参照されやすい事例です。理由をまとめます。
- 築約50年の旧耐震マンションを、法的スキームで再生した事例
- 特定緊急輸送道路沿道の耐震化という「行政ニーズ」と「所有者ニーズ」が合致したケース
- 隣接地を取り込んで規模を拡大した「増床型建替え」の実例
- 三井不動産レジデンシャルによるマンション再生事業として知られる
- 都心立地で戸数を大幅に増やすことができた稀少なケース
初台エリアのマンションを見るときのヒントになる
初台周辺には、同じく旧耐震世代(1982年以前築)のマンションが複数あります。
「旧耐震だから買えない」という結論ではなく、管理状況・修繕積立金・耐震診断の有無などを一緒に確認していくことが大切です。
場合によっては、将来的な建て替えの可能性も視野に入れながら判断することになります。
幡ヶ谷ベースでは、初台エリアの築古マンションについても実態ベースでお伝えしています。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。